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歯列矯正後の後戻りはなぜ起こる?リテーナー管理と原因を徹底解説

矯正治療後に起こる「後戻り」とは

歯列矯正を終えた患者様から「せっかくきれいになった歯並びが元に戻ってしまった」という相談を受けることがあります。

これは「後戻り」と呼ばれる現象で、矯正治療後に適切な管理を行わなければ、多くの方に起こり得る問題です。長い期間と費用をかけて整えた歯並びが崩れてしまうのは、患者様にとって大きなショックでしょう。

後戻りとは、矯正装置を外した後に歯が元の位置へ戻ろうとする自然な力が働く現象を指します。歯は顎の骨に埋まっているように見えますが、実際には「歯根膜」という柔らかい組織や周囲の筋肉、舌や唇の力のバランスによって、常に微妙に動いています。矯正治療で新しい位置に移動させた歯は、その位置に完全に固定されるまでに時間がかかるのです。

研究によれば、保定装置を外すと約90%の確率で後戻りが起こるとされています。これは決して珍しいことではなく、矯正治療を受けた方のほとんどが直面する可能性のある課題なのです。

後戻りが起こる主な原因

歯を支える組織の特性

後戻りの最も大きな原因は、歯を動かした後の骨や歯茎の組織が安定するまでに時間がかかることです。

矯正治療では、歯に力をかけることで歯根膜の繊維が伸び縮みします。歯が動く方向に接している歯根膜は縮み、縮んだ歯根膜に接している歯槽骨は吸収します。逆側の歯根膜は伸びて、伸びた方に接している歯槽骨は再生されるのです。治療中はこの骨の吸収と再生が絶え間なく起こっているため、矯正直後の歯はまだ骨や周囲の組織の状態が安定していません。

周囲の骨が新しい位置に再生されるには数ヶ月から1年ほどかかり、その間に適切な保定を行わなければ、歯は元の場所に戻りやすくなります。この生理的なメカニズムを理解することが、後戻り予防の第一歩となります。

日常生活の習慣とクセ

無意識に行っている日常の習慣やクセも、後戻りの大きな要因です。

舌で前歯を押すクセがある方は、せっかく動かした歯に持続的に力がかかるため、徐々に前に出てくる可能性があります。また、歯ぎしりや食いしばり、片側だけで噛む習慣、頬づえをつく癖なども、歯に不自然な力をかけ、整えた歯並びを崩してしまう原因となります。

こうした習慣は日々の生活の中で無意識に行われるため、自分では気づきにくいものです。矯正治療中にこれらの習慣を改善することが、長期的な治療成功の鍵となります。

リテーナーの不適切な使用

後戻りの最も直接的な原因は、リテーナー(保定装置)を指示通りに使用しないことです。

リテーナーを装着しない、または担当医の指示通りに使用していないことは、後戻りのリスクを大幅に高めます。保定期間初期は1日約20時間の装着が推奨されており、ある程度の保定期間が経過した後も、1日10時間や8時間程度の装着が必要です。自己判断で装着時間を短くしてしまうと、歯列が後戻りしてしまいます。

また、リテーナーの破損や紛失も問題です。マウスピースタイプのリテーナーは耐久性が低く、汚れや着色にも弱いため、しっかりとした管理が必要になります。専用のケースを持ち歩き、食事中は外して保管することが大切です。

リテーナーの種類と特徴

フィックスタイプ

専用の接着剤によって歯の裏側にワイヤーを装着するタイプのリテーナーです。

周りの人に気付かれにくく、保定力も高いのが大きなメリットです。取り外しができないため、装着を忘れる心配がありません。しかし、歯石や虫歯などの歯周病リスクがあることや、いつの間にか外れてしまっていることもあり、クリニックへの定期的な検診が必要になってきます。

プレートタイプ

歯の表面をワイヤーで、裏面をプラスチックのプレートで固定するリテーナーです。

簡単に脱着が可能でありながら、保定する力も強いのが特徴です。食事や歯磨きの際に取り外せるため、口腔衛生を保ちやすいというメリットがあります。しかし、装着している間は歯の表面にワイヤーが見えているので、審美性がやや低いのがデメリットです。

マウスピースタイプ

透明なマウスピースを装着して、歯全体を覆って固定するタイプのリテーナーです。

インビザラインと似たようなものであり、クリアリテーナーとも呼ばれています。透明なので見た目ではリテーナーをつけていることが分からず、審美性が高く人気のあるタイプです。当院でも、こちらのマウスピースタイプを多くの患者様に使用していただいています。

こちらのマウスピースタイプは他のリテーナーに比べて耐久性が低く、また汚れや着色にも弱いというデメリットもあるので、しっかりとした管理が必要になります。毎日ブラッシングやクレンザーなどで洗浄することが大切です。

後戻りを防ぐための正しいリテーナー管理

装着時間の厳守

リテーナーは医師の指導のもと、正しい使い方をする必要があります。

保定期間初期は1日20時間の装着が推奨されています。これは食事と歯磨きの時間以外はほぼ常に装着している状態です。ある程度の期間が経過すると、担当医の判断で装着時間を徐々に減らしていきますが、自己判断で装着時間を短くすることは絶対に避けてください。

保定期間は基本的に2〜3年とされていますが、歯列矯正の治療期間と同程度の期間リテーナーをつけることが推奨されています。矯正期間が1年間であればリテーナーをつける保定期間も1年間、3年間であれば3年間といったかたちが一般的です。

毎日の清掃と管理

リテーナーを清潔に保つことは、口腔衛生と装置の耐久性の両面で重要です。

毎日ブラッシングやクレンザーなどで洗浄することを習慣にしましょう。特にマウスピースタイプは汚れや着色に弱いため、丁寧なケアが必要です。また、食事中には必ず外し、専用のケースに保管してください。リテーナーは破損や紛失のリスクがあるため、外出時も必ず専用ケースを持ち歩くことをお勧めします。

定期検診の重要性

定期的にかかりつけのクリニックに通い、歯科医師のアドバイスを聞くことも大切です。

保定期間や装着時間を変更できる可能性もありますし、リテーナーの点検をすることもできます。歯の位置が安定しているかどうか、歯垢がたまっていないかをチェックすることで、早期に問題を発見し対処することができます。矯正治療が終わっても、きちんと定期検診を受け続け、虫歯や歯周病から歯を守ると共に、歯並びの状態のチェックもしてもらいましょう。

後戻りを起こしやすい人の特徴

後戻りのリスクは、すべての方に等しくあるわけではありません。

特に注意が必要なのは、リテーナーを装着していない方です。矯正治療後にリテーナーを使用しないと、ほぼ確実に後戻りが起こります。また、歯並びを悪化させる習慣を持つ方も要注意です。指しゃぶり、口呼吸、舌で歯を押す癖、舌を突き出す癖、片側で噛む、爪や唇を噛む、歯ぎしり・食いしばりなどの無意識で行う癖が不正咬合や後戻りの原因となります。

過去に部分矯正を受けた方も後戻りのリスクが高くなります。部分矯正は一部の歯のみを動かすため、歯列全体のバランスを取ることが難しく、後戻りしやすい傾向があります。

成長段階で矯正治療を受けた方は、その後の成長によって骨格が変化し、歯列の後戻りを起こすことがあります。子供の成長が完了するまでの間は経過観察が必要です。また、矯正治療後に親知らずが生えた場合も注意が必要です。歯茎に埋まっていた親知らずが矯正治療後に歯を押し始め、歯列を乱す場合もあります。

もし後戻りしてしまったら

後戻りに気づいたら、できるだけ早く担当医に相談することが大切です。

後戻りの程度が軽度であれば、リテーナーの装着時間を増やすことで改善できる場合があります。しかし、後戻りが進行してしまった場合は、再度の矯正治療が必要になることもあります。再矯正の期間や費用は、後戻りの程度によって異なりますが、初回の矯正治療よりも短期間・低コストで済むケースも多くあります。

大切なのは、後戻りを放置しないことです。早期に対処すれば、比較的簡単に元の美しい歯並びを取り戻すことができます。定期検診を受けていれば、後戻りの兆候を早期に発見できるため、やはり継続的な通院が重要となります。

ココロデンタル恵比寿での後戻り予防サポート

当院では、矯正治療後の保定期間も患者様の歯並びをしっかりとサポートしています。

矯正治療は歯を動かして終わりではありません。きれいに整った歯並びを長く保つことまでが治療の一部です。患者様ひとりひとりの口腔内写真、検査結果のデータをしっかり管理し、定期的なメンテナンスを通じて、10年20年先も安心して通っていただける歯科医院を目指しています。

全室完全個室の落ち着いた空間で、患者様に合わせたオーダーメイドの治療内容を提供しています。テレビモニターやタブレットを使用して口腔内状況を詳しくご説明し、患者様の不安解消や診療内容の理解促進を図っています。マウスピース矯正をはじめとする最新の矯正治療にも対応しており、3D口腔内スキャナーとCT画像を使った精密な診査・診断を行っています。

平日は21時まで、土曜日は18時まで診療を行っており、仕事帰りや買い物の合間にも通院しやすい環境を整えています。恵比寿駅西口から徒歩1分、東京メトロ日比谷線恵比寿駅からは徒歩30秒という好立地も、継続的な通院をサポートします。

まとめ

歯列矯正後の後戻りは、適切な管理を行わなければ多くの方に起こり得る現象です。

後戻りの主な原因は、歯を支える組織の特性、日常生活の習慣やクセ、そしてリテーナーの不適切な使用です。特にリテーナーを指示通りに装着することが、後戻り予防の最も重要なポイントとなります。保定期間初期は1日約20時間、その後も医師の指示に従った装着時間を守り、毎日の清掃と定期検診を欠かさないことが大切です。

もし後戻りに気づいたら、早期に担当医に相談することで、比較的簡単に改善できる可能性があります。せっかく時間と費用をかけて手に入れた美しい歯並びを、長く保つために正しい知識と管理を心がけましょう。

歯列矯正や保定期間についてご不安やご質問がある方は、お気軽にご相談ください。詳細はこちら:ココロデンタル恵比寿

著者情報

ココロデンタル 院長 小林 弘樹 Hiroki Kobayashi

経歴

2010年 日本大学歯学部卒業

2010年 日本大学歯学部附属歯科病院勤務

2011年 大崎シティデンタルクリニック勤務

2015年 麻布シティデンタルクリニック勤務

2017年 ココロデンタル恵比寿

2021年 ココロデンタル西麻布

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