マウスピース矯正で歯はどれくらい動く?効果を実感する期間と方法
マウスピース矯正で歯が動く仕組みとは?
マウスピース矯正は、透明な装置を使って少しずつ歯を理想的な位置へと導く矯正方法です。従来のワイヤー矯正とは異なり、目立ちにくく取り外しができるため、近年人気が高まっています。
歯が動く仕組みは、実はワイヤー矯正と基本的には同じです。歯に適切な力をかけ続けることで、歯を支える骨(歯槽骨)が徐々に変化していくのです。
マウスピース矯正では、わずかに形の異なるマウスピースを1〜2週間ごとに交換していくことで、少しずつ歯を動かしていきます。1枚のマウスピースで動く距離は約0.25mmと言われています。
つまり、マウスピースを2週間ごとに交換する場合、1ヶ月で約0.5mm、1年間では約6mmほど歯が動く計算になります。
歯を動かすためには、1日20時間以上の装着が基本です。食事や歯磨きの時以外は常に装着することで、効果的に歯を動かすことができます。
装着時間が短いと、せっかくマウスピースで動いた歯が元の位置に戻ろうとしてしまい、計画通りに進まなくなってしまうのです。

マウスピース矯正で効果を実感するまでの期間は?
「マウスピース矯正を始めたけれど、いつ頃から効果を実感できるの?」
これは多くの患者さんが気になる質問です。マウスピース矯正は少しずつ歯を動かしていくため、効果の実感には個人差がありますが、一般的には2ヶ月〜半年程度で変化を感じられる方が多いです。
1ヶ月で0.5〜1.0mmほど歯が動くと言われていますが、これは1円玉の厚さ(1.5mm)よりも小さな変化です。そのため、最初の1ヶ月では自分で気づくほどの変化を感じにくいかもしれません。
しかし、2〜3ヶ月継続すると、鏡で見たときに「あれ?少し歯並びが変わった?」と感じる方が増えてきます。特に前歯の位置や角度が変わると、見た目の変化を実感しやすくなります。
効果を実感するまでの期間は、症状によっても大きく異なります。
軽度な症例(前歯の軽いガタつきやすきっ歯など)であれば、比較的早く効果を感じられます。一方、全体的な歯並びの改善や噛み合わせの修正が必要な場合は、効果を実感するまでに時間がかかることがあります。
当院では、治療開始前に3Dシミュレーションを用いて、どのように歯が動いていくかをお見せしています。これにより、実際の変化を目で見て確認できるので、モチベーション維持にも役立ちます。
効果を早く実感できる人の特徴とは?
マウスピース矯正の効果は人によって感じ方が異なりますが、早く効果を実感できる方には、いくつかの共通点があります。
まず、若い方ほど歯が動きやすい傾向があります。これは、年齢が若いほど骨の代謝が活発で、歯を支える組織の変化が起こりやすいためです。10代や20代の方は、30代以降の方と比べて歯の動きが早いことが多いです。
次に、装着時間をしっかり守れる方は効果を早く感じられます。マウスピースは1日20時間以上の装着が推奨されていますが、これをきちんと守れる方は計画通りに歯が動くため、効果も実感しやすくなります。
また、軽度な症例の方は変化を感じやすいです。例えば、前歯の軽いガタつきやすきっ歯の方は、数ヶ月で目に見える変化が現れることが多いです。
私が以前担当した20代の女性患者さんは、前歯のすきっ歯を気にされていましたが、マウスピース矯正を始めてわずか2ヶ月で「隙間が小さくなった!」と喜んでいただけました。
装着時間をきちんと守り、定期的なチェックにも欠かさず来院されていたことが、早期に効果を実感できた理由だと思います。
一方で、歯の動きを妨げる習慣がある方は効果が出にくいことがあります。例えば、舌で前歯を押す癖や頬杖をつく習慣がある方は、マウスピースの力と反対方向に力が加わるため、歯の動きが遅くなることがあります。
マウスピース矯正の効果を高める方法
マウスピース矯正の効果をより高め、早く実感するためのポイントをいくつかご紹介します。
- 装着時間を守る
何度も強調していますが、マウスピース矯正で最も重要なのは装着時間です。1日20時間以上の装着を心がけましょう。食事や歯磨きの時間を含めても、外している時間は1日4時間以内が理想的です。
特に新しいマウスピースに交換した直後は、しっかりと装着することが大切です。この時期に装着時間が不足すると、計画通りに歯が動かなくなる可能性があります。
- チューイーを活用する
チューイーとは、マウスピースを歯にしっかりフィットさせるための補助道具です。新しいマウスピースに交換した直後は特に、マウスピースと歯の間に隙間ができやすく、うまく力が伝わらないことがあります。
チューイーを噛むことで、マウスピースを歯にぴったりと密着させ、効果的に歯を動かすことができます。当院では、必要に応じてチューイーをお渡ししています。
- 口腔内を清潔に保つ
マウスピース矯正中は、虫歯や歯周病のリスクが高まります。マウスピースを装着したまま飲食すると、食べ物や飲み物が歯とマウスピースの間に入り込み、虫歯の原因になります。
食後は必ず歯磨きをし、マウスピースも清潔に保ちましょう。虫歯や歯周病が発生すると、治療のために矯正を中断せざるを得なくなることもあります。
- 定期的な通院を欠かさない
マウスピース矯正は自己管理が重要ですが、定期的な通院も欠かせません。歯の動きが計画通りに進んでいるか、問題がないかを歯科医師がチェックします。

もし計画と異なる動きをしている場合は、早めに対処することで、治療期間の延長を防ぐことができます。
マウスピース矯正の効果が出にくいケースとは?
マウスピース矯正は多くの方に効果的ですが、中には効果が出にくいケースもあります。
まず、装着時間が不足している場合です。マウスピースは装着していないと効果がありません。1日の装着時間が短かったり、数日間装着しなかったりすると、歯が元の位置に戻ろうとして、計画通りに進まなくなります。
次に、複雑な歯の動きが必要な場合です。マウスピース矯正は、歯を前後に動かす「傾斜移動」は得意ですが、歯を回転させたり、上下に動かしたりする「歯体移動」は苦手とする傾向があります。
例えば、八重歯のように回転している歯を正しい位置に戻す場合や、噛み合わせの深い修正が必要な場合は、マウスピース単独では効果が出にくいことがあります。
また、歯ぎしりや食いしばりの強い方も注意が必要です。無意識に強い力が歯にかかると、マウスピースの力に逆らってしまい、計画通りに歯が動かないことがあります。
当院では、治療開始前に詳しく検査・診断を行い、マウスピース矯正が適しているかどうかを見極めています。場合によっては、補助装置を併用したり、部分的にワイヤー矯正を組み合わせたりすることで、より効果的な治療を提案しています。
まとめ:マウスピース矯正で美しい歯並びを手に入れるために
マウスピース矯正は、1ヶ月あたり0.5〜1.0mmほど歯が動き、多くの方は2ヶ月〜半年程度で効果を実感し始めます。
効果を最大限に引き出すためには、1日20時間以上の装着を守ること、チューイーを活用すること、口腔内を清潔に保つこと、そして定期的な通院を欠かさないことが重要です。
マウスピース矯正は自己管理が大切な治療法ですが、当院ではしっかりとサポートしていますので、不安なことがあればいつでもご相談ください。
矯正治療は決して短期間で終わるものではありませんが、コツコツと続けることで、必ず美しい歯並びを手に入れることができます。ぜひ、一緒に理想の笑顔を目指しましょう。
マウスピース矯正についてもっと詳しく知りたい方や、ご自身の歯並びに合った矯正方法を相談したい方は、ぜひ当院にお越しください。無料カウンセリングも行っていますので、お気軽にご予約ください。
詳細はココロデンタル恵比寿の公式サイトをご覧いただくか、お電話でお問い合わせください。恵比寿駅から徒歩1分、平日は21時まで診療しておりますので、お仕事帰りにもお立ち寄りいただけます。

著者情報
ココロデンタル 院長 小林 弘樹 Hiroki Kobayashi
経歴
2010年 日本大学歯学部卒業
2010年 日本大学歯学部附属歯科病院勤務
2011年 大崎シティデンタルクリニック勤務
2015年 麻布シティデンタルクリニック勤務
2017年 ココロデンタル恵比寿
2021年 ココロデンタル西麻布
